「あの……」



「何でしょう?」



「お兄様が『5年前の真相が聞きたい』とおっしゃってました。そのことについて伺ってもよろしいですか?」



しばらくの沈黙後、愛実さんは話し始めた。



「あの日、おじいちゃんが入院している病院に行こうとしたんです。その日はおじいちゃんの誕生日で。それで兄が帰ってくるまで待てって言われてたのに1人で行ったら、その途中で誘拐されたんです」



「ちょっと待って下さい。その時何歳だったんですか?」



「8歳です。あ、この姿は逝った時に決められるんです。どの年齢で過ごしたいかっていうのを。私は高校生を選びました」



「な、なるほど……」



し、知らなかった…


ていうかすごい制度…