あれから3日たつ今も、鏡を見るたび優子は涙がでそうになった。
「最悪っ・・」優子はため息まじりに言った。
「短いのも似合うけどな〜。火傷がなくて良かったよ。」友人のミキは手を洗いながら鏡越しに言った。
「そういう問題じゃない・・」と再び優子は鏡を見た。どんなに髪の毛を撫でても伸びはしない。胸まであった髪は肩につかない程短くなってしまった。
「煙草落とした彼とはまだ会ってないの??」ミキが言う。
「会ってない。向こうは私の事知らないし。あの時すぐ逃げちゃったから。」
「もったいない。私なら責任とらせるのにっ!!」膨れっ面でミキが言う。
「責任って・・」優子は困ったように笑顔で言った。あの裏庭にはあれから行っていない。彼も煙草もチョコレートすらも見ることができなくなってしまった。残ったのは、髪の焦げた匂いと強いチョコレートの香り。