勝手に浮かれたりテツに怒ったり。
気分屋でワガママだと思われても何も言えない。
「…テツ……ごめん…」
何を言われたって今は謝るしかない。
俯いているといきなりテツ顔がドアップで映る。
「せっかくのデートなのに謝んな。辛気臭くなるだろ。
澪はいつもみてぇに笑ってろ。こうやってな」
「ちょっと!いひゃいいひゃい!(痛い痛い!)」
テツに思いっきり両頬を引っ張られる。
それはほんの数秒で終了したけど、すごく痛い。
痛いけどなんだろう。
触られたところがすごく温かく感じる。
それはきっとテツの優しさなのかな。
「痛いよ……もう」
テツの優しさに触れてつい笑ってしまう。
だってテツの優しさが歯痒くて、嬉しかったから。
そんなあたしを見てテツも笑っていた。
そしてテツはあたしの手を握って歩き出す。
「さ、次は澪に激似の深海魚のコーナーへレッツゴー」
「ちょっと!?似てないから!」