あたしの聞きたいことが分かったのかテツはくすぐる手を止めずに答えた。




「こうやってれば他のことなんか考えず、俺の手だけ感じてられるだろ?
だから……こちょこちょ~」


「ちょ、やめて!…アハハハハッ!くすぐったいって…!アハハハハッ!」




確かにテツの手の動きしか今は感じてないけども!




これはもう限界だった。




あたしはその辺に開きっぱなしになっていたkomuraをテツの顔に押し付けた。




「ぶ!何しやがんだ……ってここ」


「テツがこちょこちょするからいけないんでしょ!?……え?何?」




テツのこちょこちょ攻撃がいきなり止んだから、気になって涙目になってる目を頑張って開ける。




テツは雑誌を見て固まってる。
あたしも起き上がってテツが見てるページを見ると、そこはお母さんが見せてきた水族館のページだった。




「テツ覚えてる?よくあたしの家族とテツの家族で遊びに行った水族館。
リニューアルして最近オープンしたんだって!
綺麗になったよね!お母さんが見つけて持ってきたの」




テツと一緒に行ってきなって言われた、なんて言えなかった。




そんなこと言ったらデートに誘ってるようなものだし、今はテツはインハイの練習で忙しいし。




それどころじゃない……