「あー、疲れたー」
あたしの腰にグリグリと頭を押し付けてくるテツ。
いつもより気だるい声からして眠いんだと分かる。
きっと今は一年生の指導にインハイに向けた練習で大変なんだろうな。
「…新しく入った一年生はどう?」
「んー、兼ちゃんがすげー気合い入ってる。
俺は練習しろって兼ちゃんに言われて、とりあえず成宮と小橋ボコしてる」
「…ほどほどにしてあげて」
テツにボコボコにされてる成宮先輩と小橋くんが思い浮かんでしまう。
それはまぁ……置いといて。一番気になるのは……
「あの子は?マネージャーの…林部さん…だっけ?」
わざとあまり覚えてない風を装って恐る恐る聞いてみる。
チラッとテツを見るとテツはボーッと天井を見ていた。
「あー、知らねぇけど何かと寄ってくる。
周りの奴らはかわいいかわいいとか言ってるけどな」
「へ、へぇー…かわいいんだ」
すごくピュアな感じだったもんな。
男受けしそうなキャラだったもんな。
てか何かと寄ってくるって!
やっぱりテツのこと好きなんじゃ……!?
そしてテツのその気になってるとか……!?
「…て、テツもかわいいとかって……思う、の…?」
「……あ?」
うわ!つい聞いてしまった!
何やってんだあたし!
恥ずかしくてテツの方見れない…!