「これだからあんたは……
憧れてバレー始めて、テツさんと同じ高校入ってマネージャーになる。
これは完璧テツさん狙ってるでしょ」
「……まじ?」
「澪、他人のこととなるとほんっと鈍いよね」
そう言われると何も言えなくなる。
実際、テツがあたしのこと好きだったのも知らなかったし。
未来に言われて思えば部活に顔出そうとすると林部さんがいつもテツと話していた。
それを見て胸を痛めて体育館から立ち去ってた。
ほら。今だってその光景が思い浮かぶだけで胸が痛い。
胸が痛くなるから何も考えないように、何も見ないようにしてこの1週間過ごしてきた。
「…そう思ってもどこかでは気にしちゃうんだよなー……」
「…何を気にしちゃうの?」
「うわ!お母さん!?」
いきなりあたしの耳にお母さんの声が入ってきて驚くと、部屋の入り口にお母さんが雑誌を持って立っていた。