「今、鉄也に憧れてバレーやってたって言ったけど…」
「はい!中学バレー部だったんですけど、頑張りすぎて怪我しちゃってバレーは体育程度でしかできなくなってしまって…
でもバレーはまだ好きで、皆さんのサポートをしながら近くでバレーを感じていたくてマネ希望なんです!」
「な、なんて健気で素直な子なんだー!」
成宮先輩だけが感動して泣いてる。
バレー部員ほぼ全員ドン引きしてますよ先輩。
先輩の言ってることは確かにと思う。
一年しか学年が違うはずなのに、私にも若々しく見えるし純粋すぎて直視できない。
こうして原高バレー部に麗さんに代わるマネージャーが加わった。
バレー部の新たな出発と思うと嬉しいはずなのに、どこか素直に喜べない自分がいた。
「…あの子絶対テツさんのこと好きだよ」
林部さんがバレー部のマネージャーになって一週間近く経った。
「……あの子って林部さんのこと?というかそうなの?」
「その子以外に誰がいるのよ」
テツに憧れてとは言ってたけど好きという感じはなさそうだった。
あたしの返事に未来は深くため息をついた。