空は、とても悲しそうで涙がこぼれ落ちそうな目をして、そう言った。

「…なんて顔してんのよ。空らしくない！私は、いつもの元気いっぱいの空が好きなのに！」

ｷﾞｭｯ

私は空の力強い腕で抱きしめられた。

「そ、ら？」

「ごめん、ちょっとだけこうさせて。そうだよな。俺がこんなんじゃダメだよな。」

そう言うと、空は私をゆっくり離して、
「香那、ずっと好きだった。でも、香那の目には俺じゃないヤツが映ってる。香那は、そいつとちゃんと、幸せになって。香那の幸せが俺の幸せでもあるから。」

うぅっ、ぐすっ。

涙がぼろぼろ出てきた。
やだ、泣きたくないのに。
私が泣いてちゃダメなのに。

「なに泣いてんだよ。」

空が笑いながら、言った。

「もう、お前を慰めるのは俺じゃねーだろ。」