止めどなく無尽蔵に溢れ出す涙で、前が見えない。

このまま車道に飛び出したっていい、誰かが私を弾いてくれたっていい。

宛てもなくただただ只管走った。

カナと別れた住宅街を抜け、学校の前を通り過ぎ、気付いた時に辿り着いたのは隣町のショッピングモールだった。



「 はあ…っ。」



身体能力ならそこそこ自信がある。

…なんせ、元ヤンなんだから。

こんな自分がそう簡単に変われる訳ないだろう、恋なんて以ての外だ。

今のネガティヴな思考回路を停止させてくれる様な出来事、落ちてないかな。

…例えそれが喧嘩だろうが殴り合いだろうが、精一杯受けて立ちたい気分だ。