目を開けると暖かいぬくもりに包まれている

痛い所はあるがそんなに怪我をしている感じはしない

なのに。なのに、

私の周りは血だらけでまだ生暖かいドロドロの新しい血

慌てて起き上がり周りを見ると血を流しているお父さんとお母さん


『お父さん!お母さん!しっかりして!起きて!!ねえ起きて!!』

「…っ、陽菜『お父さん!起きて!』

「よく聞け、きっとこれが最後だ」

『何最後って!いやだやめて!』

「陽菜…『お母さん!!最後って何よ!』

「伝えたいことはたくさんあるんだ。でもきっと言い切れないな」

「そうね、ありすぎるわ」

『ちょっと待ってよ何言ってるのまだこれから…』


そう言いかけてやめたのはお父さんとお母さんが涙を流していたから


「こんなことになると思わなかったんだ、ごめんな。でも後悔はしてない」

「うん。陽菜を助けられたの、私たちの、世界で一番大切な宝物を」

「陽菜、これだけは覚えておけお前は1人じゃない」

『だから、何言って…るの。』

「泣くな陽菜、自分らしく生きろ」

「陽菜は元気で明るくて優しくてツンツンしているようで実はこの甘えん坊さん」

「泣き虫なのに泣くのを我慢してっ、」

「周りにも気を配れて、笑顔が可愛くて、守りたくなるような素敵な女の子よ」

「本当はどんな彼氏と付き合って、どんな人と結婚して、どんな未来があるのか見たかった」

「でも、それは叶わないみたい……だから……この人って何かを感じた人は大切にしなさい」

「陽菜ならきっと素敵な人に出会える。」

『お父さん、、お母さん。そんな会えなくなるみたいな話しないでよ!私まだ話してないことたくさんあるのにいや、っだよ!』

「悲しい思いをさせてすまない。けど!!陽菜を何よりも大切に思っていることはわかってほしい」