明日も仕事があるため、早めの時間で解散となる。
あたしはお店の前でみんなが駅に向かうのを見送った。
飲み会が楽しかったぶん、帰り道は少しさみしくなる。
短く息を吐いて、ストールを巻き直した。
「みんな帰ったのか」
前髪をちょんまげにした高城くんがお店から出てきた。
「明日も仕事だからね」
「浪岡は休みだろ」
高城くんは酔いもさめたようで、ちょんまげをほどき前髪をくしゃくしゃと直しながらあたしに髪ゴムを返してきた。
「とっちゃうの」
「さすがにコレで電車は無理だろ」
「似合ってるのに」
くすくす笑いながら駅に向かって歩き始める。
「新宿?」
「ううん。西武新宿まで歩く」
「送ろうか」
「いいよ。大丈夫。あたしなんかに声かける物好きなんていないから」
「それもそうだな」
高城くんの返しにちょっと怒ったふりをした。
こんなふうに冗談を言ったりするのはいつものこと。
それが周りからは仲がいいように見えてるみたいで。
でも、仲がよくても二人きりになることはない。
…あれ。
いま、二人きりだ。
これ、はじめてかも。
あたしはお店の前でみんなが駅に向かうのを見送った。
飲み会が楽しかったぶん、帰り道は少しさみしくなる。
短く息を吐いて、ストールを巻き直した。
「みんな帰ったのか」
前髪をちょんまげにした高城くんがお店から出てきた。
「明日も仕事だからね」
「浪岡は休みだろ」
高城くんは酔いもさめたようで、ちょんまげをほどき前髪をくしゃくしゃと直しながらあたしに髪ゴムを返してきた。
「とっちゃうの」
「さすがにコレで電車は無理だろ」
「似合ってるのに」
くすくす笑いながら駅に向かって歩き始める。
「新宿?」
「ううん。西武新宿まで歩く」
「送ろうか」
「いいよ。大丈夫。あたしなんかに声かける物好きなんていないから」
「それもそうだな」
高城くんの返しにちょっと怒ったふりをした。
こんなふうに冗談を言ったりするのはいつものこと。
それが周りからは仲がいいように見えてるみたいで。
でも、仲がよくても二人きりになることはない。
…あれ。
いま、二人きりだ。
これ、はじめてかも。