「元気…だよ」


『本当?ちゃんとご飯食べてる?今…どこに居るの?』


「食べてるし大丈夫、」



まさか見ず知らずの高校生達に拾われてお世話になっているなんて、あの時あんなに威張って家を飛び出したのに恥ずかしくて言えない。




『今住んでる場所はあるの?』


「うん」



一番にあたしの心配をしてくれるお母さんは何だかんだ喧嘩をしても母親で、あたしの事を思ってくれているんだな。離れて分かる有り難さってあると思う。今がきっとそう。



「大丈夫だよ。えっと…知り合いの家に泊めてもらってんの」



嘘をついた事は罪悪感でしか無いけれど、それが何とあの有名な不良高校の皆様で!なんて言えばお母さんは卒倒するかもしれない。



『そうなの…ねえ?たまにはその…ご飯一緒にお母さんと作りに帰ってきなさい』


「うん。あ…じゃあ今日お邪魔しよーかな。今日暇なんだ…行ってもいい?」


『お邪魔って自分の家でしょー』



きっと連絡もしなくて本当は心配してたと思う。でも怒らないで優しい言葉をかけてくれるお母さんはつくづく甘いとも思うけど。



「そうだね。ありがとね」




こんな娘なのに連絡をしてくれたお母さんに有り難さと申し訳なさでいっぱいだった。



きっとお母さんからの連絡が無ければ自分から連絡はずっとできなかったかもしれない。自分の不甲斐なさも色々と混ざって。だから本当嬉しかった。