隠れたと同時にリビングのドアが開かれる。双子が顔を出すと、優は肩ごしに振り返り「おはよ」あたしに向けていた笑顔を崩し、至って普通のその表情で挨拶を交わす。



空がひらひらと笑顔のまま「おー、」言葉を返した後。



「お姉さんは?」



悪戯っ子のような笑顔のまま分かっているくせにそう問いかけた。始まったぞ。あたしをオモチャにする気なんだな。くそう!



空の言葉に一旦足元にしゃがみこむあたしを見下ろした優が怪訝な表情を浮かべ。



「……お前ら愛理ちゃんに何かしたん?」



呆れたように言葉を返す。



「俺は何もしてねえよ!むしろされた側だわ」


「された側?」


「そいつが寝ぼけて夜中に俺のベッド…」



素直おバカさんかお前はあああ!あたしは素早く立ち上がり翼の元へと駆け出した。そのままの勢いで翼の襟元を強引に掴み引き寄せる。



「言うな!これは2人…いや3人の秘密にしようでは無いか」


「おまっ、わ…分かったから首絞めんな!」


「えぇー優にも教えてあげたいなあー実はねー」



横から楽しげに話しだした空の肩にトン、手を置く。



「おい黙れ。去勢すんぞお前のその下半身」


「あっははー嘘、何もねえわ。ねーお姉さん」


「ねー」



あたしの顔色を窺った空がヘラヘラと笑うままにあたしから少しだけ離れる。脅しはどうやら効いたようだった。



よし、この勢いでいこうか。