頭が痛い、気持ち悪い。これは身に覚えがあるよ。たしかこれはーーーー…。
「二日酔いだ……」
「だろうな」
隣から聞こえてきた声に驚いて瞳を瞬く。なんだこの状況。どうなってるんだ。
あたしは確か歓迎会でトシに飲まされていたのはジュースじゃなくてお酒でーーーーその途中で気持ちが悪くなってから記憶が全くないぞ。これはやばい。
――――しかも…しかもだ!
「何で翼があたしの布団に寝てんだ。」
「はあ?てめえが昨日寝ぼけて入ってきたんだろ。ここはお前の部屋じゃねえわ!」
「なんだと!」
慌てて布団を跳ね除けて辺りを見渡す。本当だ。あたしの部屋じゃない。でもこの部屋は見覚えがある。
色々部屋がありすぎて最初の頃に迷って開けたらこんな空き部屋が優のマンションの一室の中にはあった気がする。
後で優に聞いたらたまに泊まりにきた奴が寝るのに使ったりするなんて言ってたんだ。
信じられない!幸か不幸か空じゃないことに喜ぶべきなのだろうか。見れば自分はしっかり服を着てるし翼も黒いスウェットを着ているようだ。
「昨日結局、お前はあの場所で寝ちまって優が家まで連れて帰ってきたんだよ。」
そう…だったのか。全く覚えてないや。あたし今度からお酒はあまり飲まないようにしよう。朝起きたら知らない家の寝室で、全裸…何て事になったら本気で笑えない。
「しかも家についてすぐ目、覚ましたかと思ったらお風呂お風呂~♪なんて歌いながら風呂入って行ってしばらくでてこねーから優がすげー心配してたぞ」
「ま、まさか覗いたんじゃ…」
「覗かねえよ。今回はお前がしっかり鍵かけて入ってたからな」
「覗こうとしたって事ですよねそれ。鍵ちゃっかり確認してるじゃないかあなた」
「そっから時間経って普通に風呂からでてきて「寝る!!」とか叫んで自分の部屋でしっかり寝てたけどなお前。」