怒り狂うあたしに状況を把握しきれない優に隼人くんに空は困惑気味に立ち上がる。空に至っては巻き込まれないようにか10歩も後ろに下がった。それはそれで傷つく。
けれど当の本人である翼はあたしにパーカーを捕まれ、揺さぶられながらも盛大に笑い出したでは無いか。それも自慢げにだ。
「あれすげえだろ!俺カメラマンになれちゃうかもしれねえわ!」
「許さん!!」
翼から送られてきたメールは下の方にスクロールしていくと画像が一枚貼りつけられていた。その画像とはあたしが脱衣所で丁度服を脱いでいる姿でーーーー。
全裸とまではいかなかったものの、下着姿はばっちりしっかり映っていたのだ。もうお嫁にいけない!
「…ふふふ…翼くん。死に方の希望とかあったら聞いてあげるけども」
「いやいや笑えねーから。大体てめえなんか嫁に貰ってくれる男最初からいねえわ!下着姿がなんだよ!落ち込むな、どんまい」
「お前のせいだよね!」
びっくりした。あまりにもあっさり開き直ってびっくりしたよ。
「とにかくだ!その画像だけ消してよ!消せ!」
「ふっざけんな!プライバシーの侵害だ!」
「あたしのプライバシー返せ!」
「まあまあ落ち着けや。何で喧嘩しとんねん」
あたしがギリギリと翼の首を絞めだした所で優が慌てて割って入ってきた。両手を上下させて「息吸ってーはいてー」と苦笑する。
「だって翼があたしのプライバシーを脱衣所で!下着がちょっと!」
「「いやいや全然意味わかんねーから」」
空は右手で、翼は左手でペチンっとあたしの額を叩く。双子め。息ぴったりじゃないか。
「どーせつーちんが怒らせることしたんだろ?何したんだよ。」
さすが隼人くんだ。良く分かってらっしゃる。