「う、うん!優ちんもつーちんもそーちんもおかえり。俺大丈夫だぜ?つうか、つーちん痛えよ!俺、愛愛のオムライス食ってたんだからさ」
「「「愛愛!??」」」
隼人くんの言葉に見事にハモった3人組がスーっと視線をあたしの方へと滑らせてくる。そうですあたしが愛愛です。
「そ!愛理だから愛愛。愛愛のオムライスまじうめえんだよ」
「お前…女大丈夫なのかよ?」
「いや?全然無理!でも愛愛はなんか平気みたいだ」
な?なんて言いながら可愛い笑顔であたしに同意を求めてくるから隼人くんにあたしも自分の事なのにおずおずと頭を縦に振る。
「ふーん。へーえ?お姉さんやるねー」
全く心のこもっていない言葉であたしを褒めるようにパッチンパッチン、ゆっくりすぎる拍手を送る空が空いていた椅子へと腰を落とし長い足を組んだ。
瞳が冷え切ったそれへと変わり、探るように見つめられ困る。なんか嫌だなあ、その言い方。
「隼人よく見てみろ!こいつ化け物だぞ?まじうるせーんだぞ!?っつかこいつ女じゃなかったとか?だから大丈夫なんじゃねえか?」
おい いい加減にしろよ翼。また首絞める事になるぞ。次はそのまま背負い投げだぞコラ。
失礼な事を言う翼に見せつけるように着ていた服の袖をぐいと捲し上げる「おーコワ」笑いながら両手をブラリ、頭上に上げ降参ポーズを取っていると見せかけて、頭上に上げた右手と左手はそれぞれぎゅっと拳が握られている。
近寄ればいつでもそれを振り落とせるという事か、っち。
「ほんまに愛理ちゃんは大丈夫なんか」
「愛愛は俺に大丈夫って言ってくれたし。変な事しねえし、だから俺なんかすげー安心できてさ。だから大丈夫みたいだ。」
にっこにっこ明るい笑顔を見せる隼人くんに優も空も翼も顔を見合わせている。
たしかにあの怖がり様は普通じゃなかったからね。この3人も今まで隼人くんのあれを見てきたからきっとびっくりしてるんだと思う。