あー、今日もいい天気だねえ。快晴、晴天、青空。そのどの言葉も当てはまるほど眩しい太陽が頭上でギラギラと輝いていた。少々照りつける光が眩しい。
こういう日に屋上でだらだらすんのって最高だと俺は思うねー。
いやいやそれにしても…、と引っ張り出したタバコのケースを上下に緩く振り、一本飛び出たタバコを口に咥えて引き抜いた。セブンスターと書かれたパッケージに目を止めてから頭を捻る。
足を投げ出し屋上のフェンスへと背中を預けて座り込んでいる俺の隣では体育座りをして無意味にゆーらゆーら揺れながらヘラヘラ笑っている弟の姿が視界の隅に映った。
眩しい金色に太陽の光が反射したように見えて一度固く瞳を閉じる。いやー本当まっぶしい。
固く閉じた瞳をもう一度開き、胸ポケットからライターを取り出している間もまだヘラヘラと弟は笑っていた。何を見てヘラヘラ笑っているのかと言えば勿論我らがリーダーである優を見てヘラヘラ笑っているわけで。
「優ちゃん。昨日のあれはどーいう風の吹き回し?俺はとってもとってもとーっても気になるんですけどもー」
弟の気持ちを代弁するように紫煙を吐き出し聞いてやる。弟は「ナイス!」俺の肩に頭を乗せてまたヘランヘランだらしなく笑いだした。
面白がっているようにも見えるが実際、心の中は不信感不安感でいっぱいなんだろう、それを隠すために不気味に笑っているのはこいつの兄貴だから良く分かる。
――――と言うよりも俺も同じ気持ちだからだ。
「何のことやねん」
とぼけた声を出す優はフェンスに手をかけ小首を傾げてる。ガシャン、フェンスの悲鳴が聞こえてきた。