頭を捻りうんうんと考えているーーーーーと。



―――――ぐぅぅぅ~。



盛大な腹の虫が前方から聞こえてきた。



あたしは目をパチパチと瞬きながら目の前の男の子を見た。



自分のお腹の虫が鳴った事に暫く気付かなかった男の子は「……、」バっと自分のお腹を一度両手で押さえ蒼白な顔を今度は真っ赤に染めていく。忙しい子だ。



下に落ちたコンビニ袋の中からオニギリがコロンと転がって出ていた。



「「……………」」




暫く二人で見つめあう。すると、男の子はオニギリを慌てて袋に戻し、くるりと向きを変えて部屋から早足で立ち去ってしまった。



驚くほど早い行動に一瞬ついていけなかった。



―――――え?一瞬思考停止したあたしもハっとして慌てて男の子を追いかけて部屋を飛び出す。



「ちょっとちょっと、待って待って!」



廊下をひた走れば既に玄関でわたわたと靴を履いている男の子の背中が見える。行動早いな!!!その背中を呼び止める。



あたしが追ってくるとは思わなかったのか男の子はこちらに勢い良く振り返り、むぎゅっ、唇を噛み締め目を見開いた。赤かった顔がまた真っ青だ。それも尋常では無いほどにビクリと肩を上げていて。