あたしが答えに至った間に、あちらも何かしらの答えには至ったらしい。笑顔で台所に入ってきたあの表情に比べると今はやけに蒼白で眉間に濃いシワが刻まれている。



何を言うのかと思えばーーーーー。



「そ、そそ、そーちんの女か?」



一歩一歩後ずさりガラス張りのドアにガシャンと頭をぶつけながらもおずおずと問いかけられた。



何故にそんなに怯えるのですか。あたしバケモノチガウ。



「落ち、落ち着いて!そそ、空の女じゃないよ。ちょっと色々合って優に昨日泊めてもらっただけなんだ…」



慌てて立ち上がってぶんぶん首を横に振っておく、あのエロ男の女とか勘弁してくれ。その誤解だけは解かねば。



「色々?…優ちんはなんも言ってなかったけど…」


「そ…そうなんだ。でもあたし今日中には出て行くつもりだから、そ、そんなに怯えんでくれ!お邪魔しててごめんね」




鋭い視線で睨んでくる赤茶色の男の子にびくびくしながらペコペコ頭を下げて謝る。そりゃ、何も聞かされていなくていつも通り家に遊びに来てみれば見知らぬ女が居たら怒るしびっくりするよなあ。




「優ちんは…学校行ったのか…?」


「うんうん!夕方には帰ってくるって言ってたかな。一応お礼だけして帰ろうと思ってまだここに居たんですけれども…えっと…あの…その」



う…言葉が続かない。お邪魔してます?お世話になっております?何にしたって不自然だ。