さてさて炊飯器はどこなんだろう。
そう思い、腰を上げて確認しようとした矢先であった。
「優ちーん!聞いてよ、またそーちんとつーちん俺の事置いてったんだっ、よっ。」
――――ガチャリ。軽い声色と、荒々しくドアを開ける音が同時に重なった。
陽気な声とともに台所に現れた謎の赤茶色髪の男の子。華奢すぎる彼の体を見た時は、一瞬女の子なんじゃないだろうかと思ったが、着ていた制服が男性物だったから男の子なのかと把握。
驚くほど可愛らしい子だ。
そんな彼と見つめ合いしばしの沈黙。
あたしは驚きすぎて手に持っていた卵を落としてしまった。ぐちゃっ。
赤茶色の男の子も驚きすぎたらしく手にもったコンビニ袋が手からずり落ちた。ドサっ。
効果音が二つ、ぐちゃっ、ドサっ!ある意味見事にはもったその後。
「「だ…誰?」」
言葉まで綺麗にはもってしまった。
ふと頭に昨日の空と翼の言葉が蘇る。「隼人嫌がんぞ…」そう言っていた言葉を右から左に流していたはずなのに何故か鮮明に思い出された。優ももう1人居るみたいなことは言っていたし。
―――――――と言う事は。