後をつけているみたいで嫌だったけど帰る道もたまたま一緒、声をかけるのもせっかくの良い雰囲気をぶち壊してしまう気がしたので一定の距離を開けて帰路を帰る事に。その間トシと彼女は全くあたしに気づく様子は無い。



良いんです良いんです、二人の世界に浸っちゃってください。



考え事をしているとトシと彼女さんはコンビニの中に入っていくのが見えた。



あたしは勿論コンビニには入らずにコンビニを通り過ぎる、店内でも赤髪は良く目立っていて通り過ぎる間際何となくそちらに視線を向けるとバッチリ、トシと視線が絡み合った。



「(うわっ)」




驚いて一瞬歩みが止まる。慌ててまた歩き出そうと出そうとするや否やトシが彼女さんに何かを耳打ちし、二人揃って中からペコペコと頭を下げてきた。



それに慌ててあたしもペコペコと頭を下げまくる。傍から見たら異様な光景に見えるに違いない。



笑顔を向けてくる彼女さんにだらしない笑顔を向け返し、軽い挨拶を終えて帰ろうとした最中、視線を感じて立ち止まった。



辺りを見渡せば少し離れた電柱の近くで6人くらいの男子高校生がこっちをじーっと見つめていた。



あたしも視線を投げてみる、けれど交差しなかった事に気づき高校生達の視線をそーっと辿っていくとコンビニの中へと行き着いた。




カーディガンを腰に巻いている人も居れば、それを着ている人も居る、そんな中でブレザーを着ている一人に視線がまた戻り停止した。東原高校、そう書かれたワッペン。



わざわざ休みの日にまで制服着て歩いているところがまた自分達を主張しているみたいで何とも鬱陶しい。



とりあえず、とコンビニを離れ脇道に入り電柱の影に隠れて様子を窺う事に。どちらかと言えばあたしの方が不審者だ。