ゴールデンウィークも終わりに差し掛かっていた。未だに皆忙しくて、たまに家に来たりもするけど落ち着く暇もなくバタバタと出て行ってしまうというのが続いている。



それでも優から少し話しを聞かせてもらえただけで気持ちが楽になれた。



今の現状が知れたから心配になる部分も勿論増えたけど、何も知らずにポツンとこの場で待っていたあの頃よりは随分とマシだ。





皆が忙しい中あたしはと言うとーーーーーーーただ今スーパーで買い物を済ませて帰る所だったりする。完全に主婦だ。



男の子が四人も来るとなるとご飯の量がハンパないんです。お母さん大変なんです。



大変だけどご飯だけでも食べにくる彼らを見ると一生懸命美味しいご飯を作りたくなるってものでしょうが!




重い荷物を肩からぶら下げて歩いていると前方に見慣れた赤い髪を発見。




あれはトシだ。



声を掛けようと思った瞬間トシの横を歩く女性に目が行く。



ふわりとしたワンピースを着る可愛らしい女の子だ。茶色の髪にセミロングのストレートヘアー。おい、まさかあれはーーーー。



「か……彼女!?」



あのトシに彼女!?いや、居てもおかしくは無いだろうけど何なんだあの幸せそうなだらしない顔は。手繋いでる!手!手を!



いやー良い事だ良い事だ。人の幸せ事情に触れると心が温まります。