「まぁ、そうだよな。俺ら子供の頃から変わんねぇもんな」

 独り言のような声に「変わらないよ」と返事をした。

 奏多はわたしに飲みかけのサイダーを手渡すと、

 「帰るか」

 ポツリと言った。

 歩き始めた奏多のあとに続いてわたしもベンチから腰を上げる。

 草が足首を撫でてくすぐったい。