だけど、わたしは思う。

 「わたしは、生きたい。生きていきたい。誰かと繋がっていたい。母さんに愛されたように、わたしも誰かを愛したい……」

 見守ってくれる父さんのように誰かを見守っていきたい。

 優しい思い出をくれた奏多と未来を彩っていきたい。

 もう一度、手を繋いで。


 「だからね、わたしの過ちは」
 
 声が詰まる。

 記憶が、思い出が、涙となって溢れ出す。


 「大切なひとがいることに気づかなかったことだよ」


 走馬灯のようにみんなの顔が蘇る。

 わたしはやっぱり生きたいと願ってしまう。

 たとえ鬼丸が許してくれなくても、地獄行きだと言われても。

 それでも、わたしは願う。