鬼丸は目を閉じる。安らかに眠るように。
「夏希。もう一度聞く」
大きく息を吸い込むとその目を開く。
鬼丸は一点の曇りもない瞳をわたしへと向ける。
大丈夫だ。もう、怖くない。
「なぜ、生きたいと願う」
わたしの魂に問いかけるように。
生きたいと願う理由。
生きる価値があるとかないとかわたしにはやっぱりわからない。
自分じゃそんなこと決められないし、評価も出来ない。
きっと、どんな人間だってそう。
もしかすると神様だってそれは決められないんじゃないかな。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…