◇◆◇◆◇
「みっはなさーん」
静かに障子を開き、小声で名前を呼ぶ。
「翔…!」
驚いた彼女は少し大きな声が出てしまい、慌てて口を抑える。
二人揃って、傍の布団で寝ている香月雨をチラリと見た。
規則的な寝息にホッと胸を撫で下ろす。
親指を立てた翔に外を指され、こくりと頷き、そっと外に出る。
少し離れた廊下でひっそりと話を始めた。
翔は新撰組の情報を美華に包み隠さず与えた。
「…そう。
芳しくないわね」
眉を下げ、瞼を伏せる美華。
「雨さんの具合はどうっすか?」
「こっちもあんまり良くないわ。
日常生活に支障はないけれど、全開で動くのはまず無理ね。
体の防衛本能だと思うけれど、日中も寝ていることの方が多いわ…」
翔は片手を顎に添え、もう片手は肘に添えるような格好をとった。
「なるほどっ」
「引っぱたくわよ」
「すんません…」
巫山戯る翔に美華は平手を振り上げる。
「みっはなさーん」
静かに障子を開き、小声で名前を呼ぶ。
「翔…!」
驚いた彼女は少し大きな声が出てしまい、慌てて口を抑える。
二人揃って、傍の布団で寝ている香月雨をチラリと見た。
規則的な寝息にホッと胸を撫で下ろす。
親指を立てた翔に外を指され、こくりと頷き、そっと外に出る。
少し離れた廊下でひっそりと話を始めた。
翔は新撰組の情報を美華に包み隠さず与えた。
「…そう。
芳しくないわね」
眉を下げ、瞼を伏せる美華。
「雨さんの具合はどうっすか?」
「こっちもあんまり良くないわ。
日常生活に支障はないけれど、全開で動くのはまず無理ね。
体の防衛本能だと思うけれど、日中も寝ていることの方が多いわ…」
翔は片手を顎に添え、もう片手は肘に添えるような格好をとった。
「なるほどっ」
「引っぱたくわよ」
「すんません…」
巫山戯る翔に美華は平手を振り上げる。