「はっ!」と赤木の方に振り向いて敬礼する男に合わせて、同じ動きを繰り返す。
多数の兵士達も赤木の後ろをついて、地下牢から出て行った。
三人しか居なくなった部屋に、男は「はぁ…」と地べたに座り込んだ。
「座っちゃっていいんすか?」
「繋がれてる以上、見張りも何もねぇだろ。
お前も座れよ」
そう言われ、彼はニコッと笑い、男の横に座った。
「この人って新撰組局長っすよね?」
「さっきそう言っただろ」
ベシッと彼の頭を叩く男に、彼はとぼけたように「ハハッ」と笑う。
「そんな人が本当に反逆なんかするんすか?
新撰組って一応女王の部隊ってことになってるんすよね?」
軽く上を向きながら、人差し指を顎に当てる。
男はつまらなさそうに彼の質問に答えた。
「やったやってないが目的じゃないんだろ。
要はやったって吐かせたくてってことだよ」
「え、それって冤罪ってことっすか?!」
バッと男の方に顔を向けると、「冤罪かどうかは知らねぇよ」と、男は頭を上に向けて壁にもたれ掛かる。