「赤木様ってなーんでそんなに新撰組嫌いなんすかね〜?」


頭の後ろで腕を組みながら歩く彼に、男は「さぁな」と呟く。



暫く歩くと、地下の一部屋に辿り着く。

暗く、蝋燭一本ではどうにも当たりが見えづらい。


扉を開け、一緒に来た男を先に通す。


更に奥に行く階段沿いには、蝋燭の火がいくつも灯っていた。


着いて行った先には、四肢を壁に付いている鎖に繋がれた男がいた。


グッタリと首を下に下げている。


状況察するに、尋問という言葉は些か似合わない。


グッタリとした男の周りには、多数の兵士と赤木が立っていた。

赤木はゆっくり後ろを振り向き、遅れてきた二人を睨みつける。



「そこの二人、何故遅れた?」

「はっ、牢の見回りをしていました!」


敬礼する男に倣って、彼も敬礼をした。


赤木は睨みつけるのを止め、こちらに歩み寄る。



「この男は反逆の容疑が掛かっている。

今は眠っているが、起きると何をするか分からない。

お前達二人で次に私が来るまで見張っておけ」


それだけ言うと、横を通り過ぎた。