初めの問いかけ、俺たちの答えは「いいえ」だっただろう。
総司と殺し合いではないにしろ、試合をした時、あいつは全力で相手していたと思う。
斎藤と総司の実力は拮抗している。
前に奴らの試合を見た時は決着がつかなかった。
雨の実力も総司と斎藤と似たり寄ったりしている。
それは明らかな筋力の差と体力の差も関係している。
じゃああいつが男だったら?
現実的ではない問いかけに、黙り込む。
さっきの沈黙とは違う。
「無理じゃねぇか?
今も無理なのによ」
「いや、それは分からない。
男と女では体格が違いすぎる」
「…山崎の意見に同感だ」
短絡的な新八とは打って変わって、斎藤と山崎は最もな意見を繰り出す。
山崎は医術の心得もある。
男女差の違いは山崎が一番理解しているはずだ。
「なんでそんなことを聞くんだ、山南さん」
俺は山南さんのいる方を見る。
山南さんはふぅっと息を吐き、いつもと変わらない口調で告げた。