「私も同じ事を考えていますよ」


今度は反対の壁から聞き慣れた声を感じた。



「…山南さんですか?」

「その声は斎藤くんですね」


フッと微かに笑う声が聞こえる。



「貴方達4人の会話が興味深くて、つい聞き入ってしまいましたよ」

「おいおい、居るなら言ってくれよなぁ」


新八は後頭部を掻く。



「原田くん、斎藤くん。

率直に聞きたいのですが、外套の彼のように、貴方達二人まとめて相手にするような芸当が香月くんに出来ると思いますか?」



斎藤と目を合わせる。

多分お互い同じ事を思っている。


「または永倉くん、山崎くん。

貴方達にも彼らと同じ事を聞きたいです」


新八も俺達の顔を見る。

山崎は「答えは決まっています」と答えた。



「きっと貴方たちも私と同じ答えなのでしょうね。

ではこれならどうですか?

彼女が男性でしたらどうでしょうか?」


その問いかけにピタリと動きが止まる。