「どうしたんだよ、斎藤」


新八の問いに、斎藤は少し唸りながら口を開いた。



「…彼女が必要以上に香月を狙うのは何故か分からない。

…香月が菊さんが来ていた時に暴れた件が後を引いているのかと思ったが、それにはどうにも動くのが遅い」


「…可能性がない訳では無いが」と付け加える。



確かに赤木は必要以上に雨を目の敵にしている節はある。

いくら素性がしれないとはいえど、新撰組の幹部認定されている訳では無い。


それに今の女王は穏やかな性格の女性だと聞く。

本当に上の命令で動いているのか、はたまた赤木の独断かも怪しくなってきた。



そもそもここに俺たちを留めているのも、上からの命令なのか?


赤木は元々ゴロツキだったのが、女王の部隊になるまでに育った俺達を毛嫌いしているという噂まである。


嫌がらせにしては少し幼稚過ぎる。



「赤木は何か企んでいるとみて間違いないと思うが、どうだ?」