その話に新八は更に首を捻る。
「それなら、普通に全隊に救援要請にした方がいいんじゃねぇのか?」
「そうすれば来るのは普通に雨を除いた新撰組だけだ。
あいつしか動けない状況にして炙り出す。
これが赤木の狙いだったんだよ」
俺の説明にハッとする新八に、斎藤はジトッとした視線を送る。
言葉巧みに俺達は知らぬうちに、人質として倉庫に押し込められていたって訳か…。
情けねぇ…。
自分の髪を片手で強く握り締める。
「すまなかった…。
この程度見抜けないとは、監察方として風上にも置けない失態だ…」
静かなこの場所では、山崎がギリッと奥歯を噛む音が鮮明に聞こえた。
「赤木が雨を尋ねて来た後すぐの不審な収集命令。
気づかなかった俺達も、間抜けだよ…」
握った拳から血がぽたぽたと垂れていく。
その様子を見て、新八は眉を下げる。
斎藤は何かを考えている。