｢早く座れ｣

一葉は目だけそちらに向け、彼らにそう促す。


二人が座ったところで、一葉は再び口を開いた。



｢雨、俺は感動の再会を果たす為にお前をここに連れてきたわけじゃない｣


気だるそうに私を見る。

睨み返す私に、彼は溜め息を零す。



｢お前は自分がいつまで布団にぬくぬく転んでたと思う？｣


相変わらず嫌味がかった言い方が癪に障るが、逃げるように私は視線を下げてしまった。


｢分からないなら教えてやる。

1週間だ。

どっかの〝馬鹿〟にも言われただろうが、お前の〝それ〟はリスクがめちゃくちゃ高い。

…死にたいの、お前｣


少しの殺気が込められた言葉に、バッと頭を上げる。



｢琥珀色の髪の男を知っているの？

それに私の事も…｣


一葉は何も言わずに私の方を見る。

答える気の無い彼には期待せず、あとの二人に目をやる。


翔はいつものようにニコニコと笑っているが、美華さんは気まずそうに私から目を逸らした。