◇◆◇◆◇
香月雨の体が宙に投げ出された時、絶望の色が周囲を漂った。
新撰組隊士たちは呆然と見ていた。
原田左之助たちは途中まで足を止められないでいた。
彼らの足を止めたのは、隣の塔から横に飛び込んできた黒い人影だった。
人形のように抵抗もせず落ちていく彼女を横抱きにし、その勢いで壁を蹴り上がっていく。
そのまま瓦の上に何事も無かったかのように立っている。
遅れて駆け上がった2つの影。
「セーフっすね!」
あっけらかんと笑う彼の胸をポコポコと叩くもう1つの影。
「あんたが行かせたのがそもそもの間違えなんだからね!
〝一葉〟が助けたことで、あんたが命拾いしたんだからね、〝翔〟」
「はぁ…」
新撰組の隊員たちは愕然と3人の様子を見ていた。
そして3人は戦場へと降り立つ。
「〝美華〟、このバカ抱えてろ」
黒い外套の男が美華と呼ばれる女性に、香月雨を任せる。
彼女は香月雨をその場に座らせ、両肩を支える。
「翔…?
お前、こんなとこにいたのかよ。
ってか、何して…?」
永倉新八は回らない頭で、疑問を口にする。
無防備になった彼の元に翔と呼ばれた少年が駆け出す。
香月雨の体が宙に投げ出された時、絶望の色が周囲を漂った。
新撰組隊士たちは呆然と見ていた。
原田左之助たちは途中まで足を止められないでいた。
彼らの足を止めたのは、隣の塔から横に飛び込んできた黒い人影だった。
人形のように抵抗もせず落ちていく彼女を横抱きにし、その勢いで壁を蹴り上がっていく。
そのまま瓦の上に何事も無かったかのように立っている。
遅れて駆け上がった2つの影。
「セーフっすね!」
あっけらかんと笑う彼の胸をポコポコと叩くもう1つの影。
「あんたが行かせたのがそもそもの間違えなんだからね!
〝一葉〟が助けたことで、あんたが命拾いしたんだからね、〝翔〟」
「はぁ…」
新撰組の隊員たちは愕然と3人の様子を見ていた。
そして3人は戦場へと降り立つ。
「〝美華〟、このバカ抱えてろ」
黒い外套の男が美華と呼ばれる女性に、香月雨を任せる。
彼女は香月雨をその場に座らせ、両肩を支える。
「翔…?
お前、こんなとこにいたのかよ。
ってか、何して…?」
永倉新八は回らない頭で、疑問を口にする。
無防備になった彼の元に翔と呼ばれた少年が駆け出す。