今でなければいけない。


今歌っているのがあの子であるなら、覚醒してしまっているということになる。



結は、「外は交戦中」だと言った。

それならば、あの子が殺されてしまう!!



「失礼します」


急に入ってきたのは、赤木だった。



「赤木!

赤い髪の女の子がここに来ている!

直ぐにここに連れてきてちょうだい!」



必死の表情の私に彼女は困惑した表情を見せた。



「地下の牢に居るはずですが…」

「そんなはずないわ!

あの子はどこかに出ているはず。

どうか、彼女をここへ」



目を見開き、「そんなはずは…」と呟いた後、赤木はハッとした。

「まさか…」


そう呟くと、彼女の表情が歪んだ。


そして私を見る。



「すぐに捜索し、連れて参ります」



それだけ言うと一礼し、部屋を出ていった。



「…本当に、月姉様の御子が…?

ですが、赤木は地下牢と言っておりました。

赤木は何か勘違いをなさっているようですが、お話した方がよろしかったのではないでしょうか?」


結の言葉に首を横に振る。


今はまだ結以外の者に彼女の存在の詳細を話すわけにはいかないのよ…。