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一進一退の状態が続く中、新八が指の付け根を切られた。


俺が補助に回ったが、相手の数が多すぎる。


体力の消耗が激しい。


新八の手も止血をしなければならねぇが、する隙がない。


せめてもう1人補助がいてくれればいいが、周りを見渡すと、山南さんも深く傷ついている。


齋藤もそっちのことで手一杯になっていた。


新撰組総出なら訳ねぇが、この奇襲は予想外だ。


なぜか山崎もいない。

手詰まりになっちまった。



「くそっ!!!」


集中力が切れかけていたおかげで、急所を外してしまう。

それをいい事に一気に敵が攻めてくる。



「佐之!」


俺に向いていた剣先を新八が斬りつける。



「すまねぇ、新八…!」

「これじゃキリがねぇ!!」


集中力が切れてきたのは俺だけじゃないみたいだが、怪我人に尻拭いさせるなんざ、情けねぇ…。


そうこうしているうちに、ガクッと膝が地面につく。


自身の身体が限界に近いことを悟る。


自然と眉間に皺がきつく寄るのが分かる。