あれから10年。




15歳の春。




少し懐かしい桜の木の下で、私はあの頃のことを思い出した。






地元に帰ってきた。






雅紀に会える。







それだけが楽しみで楽しみで仕方なかった。






「唯?遅刻するわよ?」





「ごめんごめん!今行く!」






もう1度空を見上げて、深呼吸をした。








やっと会えるんだ。雅紀に。