梶間の言葉を聞いて安心しようとした。

肩の力は抜けたかも知れないが、私はどこか自分の心をどこかに置いてきたようで息苦しい。

「ありがとう」

意味もなく梶間に礼を言った所で消防署に着いた。

「お疲れ」

帽子を頭の上でふりながら更衣室へ入り、携帯を開ける。

「もしもし??瀬永??」

電話の相手は娘の瀬永。

小学一年生。

『ママ!!お仕事終わった!?』

明るい声に励まされる。

「今から帰るね」

時計を見ると、時間はとうに0時をまわっている。

「早く寝な。急いで帰るから」

瀬永から電話を切るのを確認して、終話ボタンを押した。