記憶を頼りに教室へ歩いていく。

季節は冬、二月という貼紙が廊下のあちらこちらに見られる。

二年一組…私のクラス。

扉を開けるとすでに授業は始まっていて、怪訝そうな顔の物理の教師と目が合った。

「田川。何か言う事はないのか」

教師の一言に軽く会釈を返して席につく。