「健人さん、こっちのソファーで寝てください。」


「俺はこっちのソファーでいい。」


「私は何処でも寝れるので。健人さんが広いソファーを使って。」


「なら、一緒に寝るか?」



健人さんの言葉に強引に一人掛けのソファーで丸くなる。



「おい、花菜。」


「眠いので寝ます。おやすみなさい。」



強引にソファーで丸くなった。


そっと目を閉じれば、本当に眠りに落ちていった。



「おやすみ、花菜。」



優しく撫でる手の感触に穏やかな眠りに落ちた。










「社長、長嶺さん。」



微かに聞こえる声に徐々に脳が覚醒していく。



「長嶺さん。」



長谷川さんの声にパチリと目を覚ました。目の前には胸板が――――――。


バサッと体を起こせば、毛布が床に落ちていく。


隣には健人さんが私を抱き締める形で目を覚ましていた。



「そろそろ出社してくるよ。二人とも起きて。」