葵の言葉に考えさせられる。



「伝えて欲しい?」


「当たり前でしょ。花菜だって伝えて貰ったら嬉しいでしょ。」


「うん、まあ。」


「社長も知りたいと思うよ?」



奥寺を見上げれば、じっと私を見ている。



「社長の牽制が半端ないから。いくら同期でも男は近付くなって伝わってくるし。」


「ああ、俺もわかる。」


「俺も。この前の飲み会で長嶺と話してただけで嫉妬してたし。」



藤村たち、男子の話にあゆみも葵も頷いている。



「社長も長嶺の気持ちを聞いたら安心するだろ。伝えないと不安は増すから。」


「ん~、確かに。」


「長嶺も分かってるだろ。社長は年が離れてるし、ドッシリ構えたいんだろうけど。」


「実は焦ってるかもしれないよ。俺ら同期と仲が良くて取られやしないか。」



藤村、奥寺の話に考える。



「俺は彼女の気持ちは知りたい。」


「「俺も。」」



私はランチが終わると同期と一緒にオフィスに戻った。