二ノ宮健人(にのみや けんと)社長。私の10上の34才と聞いた。


二ノ宮グループの一族で御曹司だ。兄が二人いる社長はシステム会社を立ち上げて成功させた。


私には雲の上の人だ。憧れでしかない。



「待たせたね、始めようか。」



社長と会議室に入る。私は社長から離れて、一番端の席に座る。



「坂本、頼む。」


「はい。では始める。始めに…………。」



坂本さんの進行で会議が進められていく。私は資料を片手にメモを取りながら、会議に参加していた。



「長嶺、ちゃんと計画通りに進めろよ。」



坂本さんの厳しい言葉に大きく頷いた。



「坂本、長嶺も頑張ってる。そんなに苛めるな。」


「社長は甘いです。長嶺、ちゃんとやれよ。」


「はい。」



社長の優しい言葉は私のテンションを上げてくれる。


まだまだ覚えることも多い。坂本さんの言うことも正しいけど、やっぱり優しくされると嬉しくなる。