慌てて資料を手に持ち、社長室を目指す。


コンコン。



「はい。」



社長室を開けて中に一歩入る。



「長嶺です。第2会議室で進捗会議しますので、宜しくお願いします。」


「わかった。ありがとう。」



社長と視線が合う。


秘書の長谷川さんも相当イケメンだが、社長もイケメンだ。


長身の上、整った顔、大人の魅力もあり、女子社員の憧れだ。



「長嶺、長谷川から聞いたか?」


「はい。」


「頼んだぞ。」


「はい。では会議を宜しくお願いします。」



私はお辞儀をして部屋を出ようとすると社長に声を掛けられた。



「一緒に行こう。」


「えっ?」


「もう行けるから。一緒に行くよ。」


「あっ、はい。」



一緒に?


社長が席を立ち、私に近付いてくる。


私と目が合えば、笑みを浮かべる社長に私も微笑み返す。



「長嶺、行こうか。」


「はい。」