「これから必要なら覚えます。」


「わかった。健人を頼むよ。母さんもいい?」


「いいわ。健人の頼みですから。」



お母さんの視線を感じて、お父さんからお母さんに視線を向けた。



「花菜さん、約束通りに孫を見せてね。老後は孫に囲まれたいから。」


「えっ?あっ、はい。」


「結婚したら仕事は辞めてくれるかしら?」



お母さんの問いに頷けないでいた。


まだまだ先の話だと思っていたのに―――。



「お袋、結婚は先でも。」


「駄目よ、健人は35になるのよ。」


「まだ大丈夫だよ。」


「いえ、早く孫を見たいわ。」


「兄貴達にも子供はいるだろ。花菜は入社して3年だし、これから仕事もやりたいだろうから。」



お母さんと健人さんの言い合いに、私はどうするべきなのか悩んでいた。



「花菜さん、来年には結婚してくれるかしら?」


「来年………。」


「早く孫も見せてね。」



結婚問題は解決したのに………心の中はモヤモヤが消えない。