会社の社長と付き合ってる事はあまり知られたくない。


私達を知らない人達は、女の武器で仕事をしていると思うかもしれないからだ。


それに社長って、イメージだと年配だと思うだろうから。



愛人?



なんて思われるかもしれない。



「………みねさん、長嶺さん。」


「へっ?」


「飲みすぎた?ボーッとしてるし。」


「へっ?いえ、全然大丈夫です。」


「飲み会のお金がキツいとか?」



笑い混じりに相模さんが聞いてくる。私はニヤリとして相模さんを見た。



「相模さん、奢ってくれます?」


「彼女なら。」


「…………。」


「彼女なら奢るけど?」


「…………。」



ニヤリとする相模さんに首を横に振る。



「遠距離恋愛はしませんので。」


「残念。」



相模さんと二人で盛り上がれば、長野さんの視線が突き刺さる。



「仲良くなれそうだな、長嶺。」


「えっ?あっ、はい。」


「明日から一人でも羽目外すなよ。」



長野さんは新幹線で戻る事もあり、私達は早めに懇親会を切り上げた。