身体に触れる感触に徐々に目が覚めていく。



「ん………。」



身体を捩れば、引き寄せられ抱き締められる。



「逃げるな、花菜。」


「ん………、朝ですか?」


「そろそろ敬語も止めろ。」


「ふふっ、つい。」



目を開けば、優しい笑みを見せる健人さんの顔が間近にあった。



「いつ起きたの?」


「さっき。」


「私も。健人さんが触るから起きた。」


「悪い、ついつい。」



そう言いながら健人さんの手が私の背中を撫でる。



「気持ちいい。花菜の肌。」


「ふふっ、普通です。」


「若さか?」



私はその言葉にムッとして健人さんを見る。



「誰と比べてます?比べるのは止めて。」


「違う。比べてない。」



健人さんとは反対の方向を向いて目を閉じた。


健人さんが腰を引き寄せて抱き締める。私の背中にそっとキスを落とす。



「花菜だけだ。こんなに愛したのは。」



この言葉だけで気持ちは上昇するが、もっと聞きたくて無視をする。