「関係ないでしょ」



私の腕を掴んでいる手が少し緩むのを感じて身をよじった。だけどさっきよりさらに強く掴まれる。



「関係なくねぇよ」



その言葉に冷静だった心が乱される。


なによ今さら…



「今さら…、何なの…」


「き…」


「今さら何よ!」



早く振りほどきたくて、激しく身をよじる。それに反してどんどん強くなる力。それでもなりふり構わず抵抗を続ける。



「もう関係ないの!帰って!」


「桔子!落ち着け、桔子!」


「その名前で呼ばないで!」



私の腕から彼の手が離れたと同時に、つけていたネックレスが切れてバラバラとアスファルトの上に散らばった。


夜の街のネオンが反射し眩しく輝く真珠たち。





何年も堪えていた涙が、頬を伝うのがわかった。