「……どうかした?」

戻って来たあゆが、私の様子がおかしいことに気付いたようだった。



「え?あの……海斗が……これから飲みに行かないかって?」

「え?これから?」



あゆは、戸惑ったような顔で問い返す。
酷いな、私…
決められないからって、そんなこと言うなんて…



「う、うん、この近くに感じの良いバー知ってるから、皆でどうかなって思って…」

相川さん、焦ってる…
でも、これなら、私もみんなで行くと思ったってことに出来そう…



「私は今日はやめとく。
なんか、さっきから眠くって…」

「じゃあ、私も!」

焦ってあゆに便乗した。



「なぁ~んだ…じゃあ、今日はもうお開きだな。
男同士で行っても仕方ないし…」

「そんなことないんじゃない?
男同士で飲むのも良いじゃない。」

「いや…おしゃれなバーだから…
また今度にしよう。」

相川さんは島本さんと二人では行く気はないみたい。
どことなく気まずい雰囲気で、私達はそのまま駅に向かった。