「あぁ~…空気がおいしいっていうのは、こういうことを言うんだね。」

あゆはそう言いながら、大きく伸びをした。



「本当。美味しいよね~!」

「俺は空気よりも何か食べたい!
なんかすっごく腹が減った。
あ、レストランは多分あれだよ。」

私達は、レストランを目指した。



広いレストランには、子供連れの家族や、カップル、女の子のグループなどでけっこう賑わっていた。
私の隣に相川さんが座って、あゆの隣には島本さん。
今日を境に、こんな座り方はなくなるんだね。
いや…四人で会うこと自体、もうおしまいかもしれない。



そんなことを思ったら、なんだかとても悲しくなった。



知り合ってから数ヶ月。
四人で遊んだのは、たったの二回だけだけど。
短い付き合いだけど、けっこう楽しかったよね…



良く考えてみると…彼氏としてはあれだけど、友達としてなら、相川さんは悪くはなかったよ。
明るいし、てきぱきしてるし、歌もうまいし…



「おっ。来た、来た!」

相川さんは運ばれて来たカツカレーを早速頬張る。



「夜はバーベキューだよね?」

「うん、キャンプに来たらバーベキューははずせないもんな!」



きっと楽しいバーベキューになるだろうね。
でも、その後…
考えると、途端に気持ちが塞がった。