ロシアの昔話『雪姫』




それを聞きカーシャは


「もちろんいいですわ♪」


満面の笑みを浮かべって言ったのだった。









✱✱✱✱


僕たちはお昼を食べていた。


な、なんつーか。
やっぱカーシャ可愛すぎだって...

このさぁ、幸せそうに食べてる顔とか
まじ、全部がいちいち可愛いんだって...


「なんですの??顔になにかついています?」
「あ!いや!可愛いなぁって」


はっ、し、しまった!!!


「そ、そんなことないですわッ」

カーシャは下を向いてしまった。
僕も恥ずかしさのあまりにそっぽを向いてしまった。
「あ、あのさカーシャ...」

少し間の空いたあと

「な、なんですの?」
「僕から、提案があるんだ」

カーシャは顔を上げて不思議そうにアランを見つめる。

「カーシャはオルガの好きな人わかる?」
「もちろん、分かりますわ」


アランの提案というのは簡潔に言ってしまえば
オルガとミハイルをくっつけてしまおう!
ということだった。


「あら、名案ですわね♪」
「だろ?協力...してくれねーか?」
「もちろんですわ!」


そうしてアランの家で作戦を立てたのだった。
✱✱✱✱



僕は今日ミハイルの家に来ていた。

「ミッハイル~」

少し間が空いた後にドアを開けて顔を出したミハイル


「今日は早いんだな」
「まぁな~」


そう言いながら僕達は
カーシャとオルガが待っているいつもの公園へと向かった。


「つ~か、ミハイルってさ好きな人とかいねーの?」
「は、いきなりなんだよ」


ミハイルは少し笑いながら問う。

実はこれ...
昨日の作戦のひとつ!

公園に着くまでにお互いに恋バナをして2人(主にオルガ)が意識しあうように仕向ける!


「まぁ、俺は...オル...いや、居ねぇよ」


そう言うミハイルの顔は真っ赤だ。

なぁんだ、案外ミハイルもわかりやすいんだな。
「あ!きたきた!アーラーンッ!」

そう駆け寄ってきたのはカーシャだ。

あぁ、やべえ可愛い。

こんな時に思っちゃうなんて僕...
よっぽどカーシャのことが好きなんだな...


「アラン~??」
「あぁ、ごめんごめん!ぼーっとしてた」
「さっきまであんな元気だったのにかよ」


もー!
せっかくミハイルとオルガのために作戦立てたんだからちゃんと実行しなきゃ!!!

ここで、僕がミスっちゃいけないんだから!
「あっ、ちょっ...!!あぶっ...」

「うわぁっ、」
「きゃぁっ」


アランが雪で躓きミハイルに当たってしまった。
その後そのままちょうどミハイルの前にいたオルガに倒れ込む形で二人とも倒れてしまった。

要するに今は目の前で繰り広げられているのは......




ミハイルがオルガに床ドンをしている



そういうシーンである。
アランは2人が見えていなことをいいことに
カーシャにガッツポーズをして見せた。


「ご、ごめんっ...」

「わ、私の方こそ...っ」


あー、二人して顔真っ赤なんだろーなぁ


アランとカーシャは顔を見合わせて
フフッと微笑んだ。



「おい、アラン...」


いつの間にか起き上がっていたミハイルは怖い声でアランに声をかけた。


「んだよ、ミハイル」


ミハイルは僕に近づくなりひそひそ声で言った。


「なんつーことしてくれたんだよ…」


いやぁ、体当たり。
とアランはふざけて答えた。


バンッ___


「いっっってぇ」


ミハイルはアランの背中を思いっきり叩いて
オルガとカーシャの元へ戻っていった。


「んな叩くことねぇだろ...」


アランもそう呟いた後3人の元へ戻った。
ここまでは本当に順調だ!


このまま行けばきっと春を迎える前には2人はくっついてくれるんだろーなぁ


アランは自然と微笑んだ。


それを見ていたカーシャはそっとアランに近づく。



「幸せそうだね。2人とも」



本当にカーシャの言う通りだ。

なんて言うか...
顔はふたりして真っ赤なんだけど、もうカレカノっていうか


ミハイルとかオルガ的には多分きっかけだったんだろーなぁ


「私達...後押し出来たかしら…?」
「あぁ!できたさ!」


アランは自信で満ち溢れていた。

それを見たカーシャも自信が湧いたのだった。
俺がアランに体当たりを食らって

オルガに床ドンをした日から数日がたった。


あの日以降もアランとカーシャの二人がかりで毎日何かしらを仕掛けてくるようになった。



でもきっと...

あいつらにすれば今日でそれも終わりなのだろう。